◆ はじめに
ダニング・クルーガー効果とは、能力の低い人ほど客観評価より自己評価が高く、能力の高い人ほど客観評価より自己評価が低くなるという認知バイアスです。コーネル大学のダニングとクルーガーがイグノーベル賞の心理学賞を受賞した有名な実験です。
◆ 研究内容
ダニングとクルーガーは、基礎心理学科の学生に対する優越の錯覚を生み出す認知バイアスについて、論理的推論における帰納的、演繹的、派生的な知的スキル、英語の文法、ユーモアセンスなどについての自己評価を調べることによって仮説を検証しました。自己評価のスコアが確定した後、学生達はクラスにおける自身の順位を推定するよう求められました。有能な学生達は自身の順位を実際より低く評価しましたが、無能な学生達は自身の順位を実際より高く評価しました。
◆ 自信過剰の罠
自己評価が高く、勉強や仕事の成績が良くないにも関わらず、なぜかすごくできると思っている人に対して、周囲は何様のつもりだと感じることがあります。能力の低い人は、ただ何かをする能力が低いというだけでなく、自分の能力の程度を
把握する能力も低いのです。このため、仕事のできない人ほど自分の仕事に自信を持っているようにみえるという不思議な現象が起きてしまうのです。物事を理解する能力の低さが自己認知も妨げるため、自分の能力が低いという事実にも気づかないのです。また、このような人は努力を怠ってしまうため、仕事でも何でも成長が止まってしまい、自己と周囲との評価にさらなるギャップが生じます。
◆ 対応策
どうすれば、自分を客観的に正しく俯瞰することができるのでしょうか。
ダニングは、4つの対策を上げています。
① 常に自分の中に、あえて反論するもう一人の自分を持つ
② 自分が間違っているのではないかと自問してみる
③ 知らないことは素直に認める
④ 失敗は成功の元と思う
◆ おわりに
論語にも「知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり」と記載されています。無知であることを自覚し、新たな学びを行うことを促進し、謙虚に自己研鑽に努めていきたいと思います。